「名城大学チャレンジ支援プログラム」のスーパーバイザーを務める池上彰教授が12月18日、天白キャンパスで同プログラム8期生をはじめとした約50人に対して特別講義を行いました。

同プログラムは、急速なグルーバル化や情報化が進む予測不可能な時代を主体的に生きる、リーダー人材の育成を目指すプログラムです。「グローバル」「キャリア」「リーダーシップと連携?協働」の３マインドを身に付けることを目標に、優れた成績の学生や目的意識の高い学生にふさわしい学習環境を整備し、自己研鑽のために海外研修に挑戦する機会も用意。池上教授は、2018年のプログラム開始時からスーパーバイザーを務めています。

この日の講演テーマは「君たちはどのような時代を生きるのか：学生時代になすべきこと」。池上教授は冒頭で、「海外の情勢や異なる文化、価値観を学ぶには、世界情勢の欧洲杯足球网_十大博彩公司-投注官网の裏側にある本質を知ることが必要」と伝えました。

昨今の中国との関係については、「それぞれの国の『内在的論理』を理解することが大切。日本の若者は過去に日本がアジアに対して何をしてきたか、良いことも悪いことも含めて歴史を知ることが重要」と強調しました。

アメリカの国内情勢に対しては、「皆さんは“おかしいな”と思うだけでなく、それがなぜ起きているのかを世界史レベルで知る必要がある。それには高等学校での世界史の知識が役立つ」と前置き。第47代アメリカ大統領選においてドナルド?トランプ氏が支持された要因は二つあるとし、経済的要因では「世界のグルーバル化の副作用としてアメリカ産業の空洞化」があること、宗教的要因は「旧約聖書、新約聖書のそれぞれの知識や信者へのリスペクトが欠けている」として、「民主主義をアメリカのように徹底すると、社会の分断が激しく表面化し、深刻な対立を生む」と、そのジレンマも語りました。

最後に、「海外に行ってみると、日本は世界の中でずいぶん違うと初めて分かることがある。海外の友人を作り世界を知ることは、結局のところ自分を知ることになる。君たちはぜひ世界に飛び出し、いろいろなことを学んでほしい」と、グローバル化が進む今だからこそ、社会情勢を学ぶ重要性を改めて強調しました。

講演後にも、池上教授は質問する学生に丁寧に応じながら、8期生たちを激励しました。