総合上飯田第一病院（名古屋市北区）の整形外科医で、本学欧洲杯足球网_十大博彩公司-投注官网の選手の治療など多くのスポーツ選手のメディカルサポートに携わっている小田智之さんが５月30日、八事キャンパスで行われた梅田孝教授が担当する１年次前期開講科目「健康?スポーツ科学理論」のゲスト講師として登壇し、「スポーツ選手の治療～スポーツチームにどのように関わるか～」と題して、２コマ合わせて約260人の学生にサッカーや野球、駅伝選手らが負いやすいけがやその治療法などを解説しました。

総合上飯田第一病院でリハビリテーション科部長とスポーツ関節鏡センター長、人工関節センター長を務める小田さんは、日本スポーツ協会公認の「スポーツ指導医（スポーツドクター）」の資格を持ち、強豪?東邦高校サッカー部などのチームドクターを務めています。また、プロフィギュアスケーターの村上佳菜子さんの母親を小田さんが手術をした縁などから、多くの五輪選手を輩出しているフィギュアスケートの「グランプリ東海クラブ」の選手の治療にもあたっています。

講義では小田さんは初めに、サッカー選手に多いけがとして、前十字靭帯の損傷や半月板損傷、足首のねんざなどを挙げ、MRIの画像や再建手術の様子などを紹介しながら、治療法や復帰に向けたストレッチやマッサージなどのリハビリの方法、復帰までに要した日数などを、選手それぞれの具体例に基づいて解説しました。野球については、成長期に肩に発症しやすい「リトルリーガーズショルダー」（少年野球肩障害）や、プロ野球選手が受けることで知られ、肘を再建する「トミージョン手術」なども説明しました。

本学欧洲杯足球网_十大博彩公司-投注官网については、2024年夏から選手の治療をするようになった小田さんはけがの特徴を「練習で長い距離を走るため、疲労骨折が多い」と指摘。そのうえで「練習量の多さに加え、体重を落とさなければならず、『日本一が当たり前』という精神的なプレッシャーもあるのでは」と推察。その一方で「女性アスリートのサポートは、監督やコーチに加え、スポーツドクターとしての整形外科医と産婦人科医、栄養士や心理士?精神科医など、いろいろな人が連携してやらなければならず、難しい」と強調しました。

小田さんはまた、ドーピングの専門知識を持つ薬剤師「スポーツファーマシスト」についても触れ、「スポーツ選手の健康と競技力をサポートする仕事。薬剤師の新たな活躍の場」とその役割を評価。自らのスポーツドクターとしての経験に基づき「薬剤師の資格を生かしてスポーツの現場とつながれば、いろいろな人との新しい出会いがあります」と呼び掛け、最後に村上佳菜子さんから学生たちに向けた「スポーツファーマシストのおかげでアスリートも安心して競技に臨むことができます」とのメッセージ動画も紹介しました。